快晴の日曜日、見頃の紅葉に包まれた空間は家族連れで賑わっていた。その中に緑一点、紅い葉の上で休んでいたのはヒメクダマキモドキというキリギリス科の虫だった。本来の棲家である草の中ではカモフラージュになるはずの緑の衣装も、ここでは役に立たない。それどころか誰よりも目立っていた。
ヒメクダマキモドキを翻訳すると、ヒメは小さいと言う意味。クダマキはウマオイつまりスイッチョの別名。モドキは模倣だから「小さいスイッチョをまねた虫」と言う意味になる。しばらくモデルになってくれた後は、ぱたぱたとどこかに飛んで行ってしまった。
小さい頃、家のどこかで毎晩スイッチョが鳴いていたことを思い出す。「ほら、スイッチョが鳴いてるよ」母の声に耳を澄ました。
22/11/27 9:30 OM SYSTEM OM-1, M.ZUIKO ED 300mm F4.0 IS PRO with MC-14, f5.6 1/640 ISO2500 +0.3EV