舞岡公園を歩く>2023年秋>ヒラフスベ

 丘の上の山桜の大木が揺れて、鮮やかな葉を散らせていた。その幹に悪性腫瘍のようなものが噴き出ていた。もともとマタンゴみたいなうす気味悪い形をしているが、この個体は特に髑髏(どくろ)のようにも見えるし、恐ろしい形相をした死神にも見えるではないか。思えばこの木はいつか、横に伸びた太い枝の下にコンクリートブロックがいくつか転がっていた、あの首吊り自殺のあった木であろう。そうだ、これはきっと祟りだ。悠長にしてはいられない。即座にその場を立ち去った。くわばらくわばら。
 今までヒラフスベと呼ばれていたこのキノコは、最近DNA鑑定によりアイカワタケの一形態と言うことになったらしい。つまりヒラフスベ型アイカワタケなんて呼ばれている。生物の分類に関してはまだまだ未開発な部分が多い。

23/11/13 10:22 OLYMPUS TG-6, 7mm f2.8 1/250 ISO100 w/Flash

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ヒラフスベ