気象庁の言う日の出時刻をとっくに過ぎても、谷戸と呼ばれる地形に囲まれた田圃は薄暗い。でもやがて森の樹木の隙間から光がこぼれ、太陽が丘の上にツノを出し始めると、ようやく夜明けが訪れる。長い影のベールがゆっくり巻き取られると、呪いが解けたかのように田圃は眩い陽光で満たされて行った。稲架掛け(はさがけ)の竿に垂れ下がった一滴の雫の中に、真っ赤な太陽が閉じ込められていた。
足元の田圃からタシギらしき鳥が二羽飛び立っていった。
23/11/02 7:50 OM SYSTEM OM-1, M.ZUIKO ED 300mm F4 IS PRO with MC-14, f11 1/45 ISO200
ところで、あのグローブをはめたデカいカニがまたいた。もしかするとなん十匹も棲息しているかもしれない。