ヘリコプターが空中に静止するように、カワセミも羽ばたきながら空中にとどまることができる。これをホバリングと言う。通常は見晴らしのよい枝を見つけてとまり、そこから水中の獲物めがけてダイビングをするのだが、岸から離れた池の真ん中を泳ぐ魚を目で追うには適当な止まり木がない。そこでホバリングしながら獲物を探すわけだ。これが見事に空中の一点にピタッととまる。カワセミの場合タカとかトビのように水平飛行しながら獲物を追うことはできないらしい。
翼に生じる揚力は飛ぶ方向の速度の自乗に比例するから、スピードゼロのホバリング状態では揚力は得られず、カワセミは力強く羽ばたきを続けなければならない。ヘリコプターもホバリング状態では燃料の消費が著しい。カワセミのホバリングも持続時間は限られている。ホバリングは獲物を狙う究極の技だ。
2008/5/17 8:10 Nikon Nikon D3, 400mm F4.5-5.6D, 1/400 F5.6 ISO1600
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